豆類の畑は基本的に元肥は必要ありません。肥料分が多いと葉や茎ばかりが育ち、実の数が少なかっ たり小粒だったりします。したがって、多くの栽培者が、ジャガイモやタマネギを収穫したあとの畑 や田畑の畦を利用してアズキなどを栽培します。
アズキは、6 月上旬頃に種を 2 粒ずつ 10㎝間隔くらいに蒔き土を被せます。雑草はまめに取り、 その際、土寄せも行います。追肥は基本的に行いませんが、天候の関係など著しい生長不足が感じら れるときは、化成肥料などを畝の間に撒きます。
一本の株の背丈は 80㎝前後で幅は 60㎝前後、根の長さは 10㎝前後、葉は 8㎝× 7㎝前後となります。
栽培方法の一例
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●平中神谷 ●添野町桑木 ●山田町新谷 ●山田町余木田
●常磐上矢田 ●遠野町深山田
ア ズ キ
いわき市内のアズキの栽培地域
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アズキはマメ科ササゲ属の一年草です。原産地は遺伝的特徴から 東アジアとされています。日本では古くから親しまれ縄文遺跡から 発掘されているほか、古事記にもその記述があります。
日本における栽培面積の 6 割以上を北海道が占めていますが、丹 波、備中を含めて日本の三大産地とされています。
いわき市内でも長年栽培している方が多数おられ、それは田んぼ の畦あぜや、ジャガイモ収穫後の畑で栽培しており、特に肥料を必要と もせず、種採りの手間もかからないことから、栽培地も平、常磐、 添野町、遠野町など広範囲にわたっています。栽培者のお一人から、
「お正月、春と秋の彼岸、端午の節句に至るまで、その時々でおはぎや柏餅を作るのに一年間で最低 3 升のアズキが必要。買ったら大変だから毎年自分の畑で作ってきた」とうかがいました。アズキが 各地の伝統料理に登場することが、栽培地の多さに直結しているものと思われます。
生産の歴史的由来
特徴
いわき市で栽培されているアズキは、主に大粒と小粒で 2 つに区別さ れます。このうち、大粒のものが「大納言」と呼ばれています。日本国内 ではそれより小さいものを「中納言」「少納言」に分けて栽培していると ころもあるようです。ある人は「小粒のほうが皮が軟らかい分、あんこが たくさんできる」と言い、またある人は「大粒のほうがあんこが美味しく 煮える」と言います。大粒と小粒の違いは、品種による特徴の優劣ではな く、各家庭の好みに合ったアズキが代々受け継がれ定着していることによ ると思われます。
アズキといえば「あんこ」ですが、煮方によって粒あん・こしあん・つ ぶしあんなど、用途や好みによって様々な使い道があります。軟らかく煮 た豆に皮が混じって少し歯ごたえを残した食感や、砂糖とは違った豆その ものの甘味と旨味は他の食材との調和を一層引き立て、利用度がどこまで も広がるのがアズキの魅力です。
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「いとこ煮」は全国的にも知られている伝統的な料理ですが、いわき市渡辺町でも「従兄弟煮」と 呼ばれる、一晩浸したアズキと皮をむいて適当な大きさに角切りしたサツマイモを一緒に煮る料理が あります。
また、カボチャとアズキを一緒に煮て冬至の日に食す習慣は「冬至かぼちゃ」と呼ばれ、市内でも かなりの家庭で浸透し継承されています。
そのほか、アズキを用いた郷土料理としては、東田町や三和町の「やまごぼうの葉入り柏餅」、川前町、 四倉町、川部町の 「赤々餅」 などがあります。
ほかにも、孫が帰省したときに「じいちゃん(ばあちゃん)のあんこが食べたい」とか、嫁いだ娘 に「買ったのよりおいしい」と言ってもらえることを喜びにしている方もおり、いかにアズキが生活 に密着してきたかがうかがえます。正月や彼岸、節句など節目節目に登場し、一年の歳時記を彩って きたアズキは、母から娘(嫁)へ受け継がれるべくして受け継がれてきた作物といえます。
地上 7㎝くらいから 5 本ほど枝分かれして、その先の枝に 3 箇所から 5 箇所に莢ができます。 収穫は 10 月中旬以降で莢が黄色くなったものから採り、最終的には株をそっくり掘り起こし、風 通しの良い場所で乾燥させます。青い莢が残っている場合も干す時間を長めにとれば、他の莢と同様、 木棒などでたたいて実を採り出すことができます。一つの莢には 3㎜× 5㎜くらいの実が 5 〜 10 粒 ほど入っていますが、莢がたくさんついたものが良いアズキとは限りません。粒が小さかったり、実 が入っていない場合もあります。近年、不安定な天候の影響でこのような例が多く見られます。採り 出したアズキを水に入れると、腐った実や中身が欠けているものは浮かんできます。それらをザルで すくって取り除き、さらに一週間くらい天日干しをします。
保存は一升ビンやペットボトルを利用します。種蒔き時期まで、いつでも食べることができます。
◆小粒のアズキ
◆大粒のアズキ(大納言)
小豆を用いた郷土の味